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トルコ至宝展 at 国立新美術館 in 六本木

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国立新美術館で開催されている「トルコの至宝展~チューリップの宮殿トプカピの美~」に行って来ました!

トルコは、ボスポラス海峡を隔てて、ユーラシア大陸の西洋と東洋の両方を領土にもつ国で、最大都市イスタンブールはその両側に存在しています。

オスマン帝国は13世紀から、約600年の長きに渡り存続し、幕を下ろしたのは何と20世紀に入った1922年のこと。すごいな20世紀まで存在していたんだ。
15世紀には東ローマ帝国を滅ぼし、領土に呑み込んでいます。

最大版図は17世紀で、東西はアゼルバイジャンからモロッコ、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロバキアに至りました。


そんな大帝国の秘中の秘の名品が初来日。
皇帝が実際に身に着けていた衣服や王宮で使用されていた道具など、織物は精緻、道具は金や数々の宝石で飾られて豪華、思わず息を飲んでしまいます。

会場の途中で流されている映像では、イスタンブールの情景や王宮とハレム(後宮)の様子が窺がえます。

スレイマン一世時代を描いたマンガに、「夢の雫、黄金の鳥籠」(篠原千絵先生著)がありますが、ファンの方も多く訪れていらっしゃるのではないでしょうか。
一緒に行った友人もそのマンガのファンでした。
グッズ売り場では、「夢の雫、黄金の鳥籠」のイラストの入ったクリアファイルなども販売されていました。

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左から、「スルタン・アブデュハル・ハミト2世の花押、19世紀末」、「七宝製バラ水入れ(ヨーロッパで製造)19世紀」、「タイル、18世紀前半」
アラビア語の文字って、美しいです。
イスラム教の教義に、神の偶像を描いてはいけないという禁忌がある分、文字やタイルに描かれる模様などがデザイン性の高いものになったのだと思います。
バラ水はおめでたいことがあると列席者にふりかけて、幸せを祈ったそうですが、このバラ水入れはヨーロッパで制作されたものとのことで、トルコとの交易が盛んだったことの証左にも思えます。

展覧会の副題となっている「チューリップ」についてですが、トルコ語でチューリップを表す言葉(Lale)が、”アラー”のアナグラムになっているという解説があり、そのためトルコでは神の花として珍重されたとか。
一本の茎に一つの花が咲くというのが「一神教」の象徴としても捉えられたそうです。
何でも、長い花弁であればあるほど価値が高かったそうで。
この辺り、オランダのチューリップ・バブルと関係あったのかしらと思いつつ、寡聞にして言い切ることができないので、もしお詳し方がいらしたら、コメントに入れていただけると幸いです。

最後のコーナーは日本の皇室とトルコ王室との友好・親善に関する文物が展示されていました。

トルコは親日で、一説によると、かの地では、一重で目元のすっきりしている日本人女性は大変にもてるのだそうです。

トルコ共和国は、イラン・イラク戦争のおり、危険もかえりみずに二機の航空機を派遣し、テヘランに在留していた邦人215名を救出してくれました。それは、「エルトゥールル号の借りを返しただけです」とのことで。

エルトゥールル号とは。
明治23年(1890年)9月16日、トルコの軍艦エルトゥールル号が和歌山県大島樫野先付近で台風のため座礁し、機関が爆発して約500名の乗組員が死亡する事件があり、日本は生存者を治療、看護し、イスタンブールまで送り届けた。
この件に関しては、トルコでは教科書にも載せている話で、誰もが知っている歴史的事件。
21世紀に入り、元号も明治から大正、昭和、平成、そして令和へと変わろうとしておりますが、トルコの方々は大変に義理堅く、未だに日本人のしてくれたことに報いようという義に厚い国民性なのです。


そんなこんなでイロイロ思った展示でしたが、トルコ、一度は行ってみたい国の一つとなりました。
主な観光地を巡った後で、できたら、アパートなど借りてイスタンブールで一ヶ月くらいの-んびりして、旧市街を巡って歴史の香りを吸って来たいです。

この日のランチは、ポール・ボキューズ・ミュゼで取りました。
そのレポは、また後ほど。



by utakatamahoro | 2019-04-11 03:33 | 日常 | Trackback | Comments(0)

2年間ロンドンに住んでいました。貧乏でも楽しめたロンドン。【自称】ニッチを愛するクリエイター。


by うたかたまほろ
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